半導体製造工程とは?初心者向けに全工程をわかりやすく解説

半導体基礎知識

スマートフォンやパソコン、自動車などに搭載されている半導体は、一見すると小さな黒い部品です。

しかし、その中には数百億個ものトランジスタが作り込まれており、完成までには数百以上の工程が必要になります。

この記事では、

  • 半導体はどのように作られるのか
  • 前工程と後工程の違い
  • どの工程でどんな装置・材料が使われるのか

を初心者にもわかるように説明します。


半導体製造工程の全体像

半導体製造は大きく分けると

① 前工程(Wafer Process)

② 後工程(Assembly & Test)

の2つに分かれます。

シリコン
↓
ウエハ製造
↓
前工程
・成膜
・露光
・現像
・エッチング
・イオン注入
・CMP
(これを何十回も繰り返す)
↓
ウエハ完成
↓
後工程
・ダイシング
・実装
・ワイヤーボンディング
・封止
・検査
↓
製品完成

イメージすると「家づくり」と同じ

初心者の方は家づくりを想像すると理解しやすいです。

家を建てるときは

  • 土地を準備する
  • 基礎を作る
  • 柱を建てる
  • 壁を作る
  • 屋根を付ける
  • 内装を仕上げる

という順番で完成します。

半導体も全く同じで、

少しずつ加工を繰り返しながら完成させます。

一度に完成するのではなく、何百回も加工を重ねて作られる超精密な製品なのです。


前工程とは?

前工程とは、

シリコンウエハの上に回路を作る工程です。

ここが半導体製造の中心になります。

代表的な工程は次の通りです。


① 成膜(Deposition)

薄い膜をウエハの上に作ります。

例えるなら、

壁紙を貼る前に下地を作るイメージです。


② レジスト塗布

感光材(レジスト)を塗ります。

これは写真フィルムのような役割があります。


③ 露光

光を当てて回路を描きます。

プロジェクターで模様を映すようなイメージです。

ASMLの露光装置が世界トップシェアです。


④ 現像

不要なレジストを溶かします。

写真を現像する工程とほぼ同じです。


⑤ エッチング

不要な部分を削ります。

彫刻刀で模様を掘るようなイメージです。

東京エレクトロンやLam Researchなどの装置が使われています。


⑥ イオン注入

半導体の電気特性を変えるため、

不純物を打ち込みます。


⑦ CMP

表面を鏡のように平らに磨きます。

道路を舗装するようなイメージです。


この工程を何十回も繰り返すことで、

数十〜数百層もの回路が作られます。


後工程とは?

前工程で完成したウエハは、

まだ1枚の円盤です。

ここから製品に仕上げます。


ダイシング

ウエハを1個ずつ切り分けます。

ピザを切り分けるようなイメージです。


実装・接続

チップを基板へ載せ、

細い金線やはんだで接続します。


モールド

樹脂で覆い、

外部から保護します。


検査

最後に性能試験を行い、

合格したものだけが出荷されます。


各メーカーとの関係

半導体製造では、多くの企業が役割を分担しています。

役割代表企業
材料メーカー信越化学工業、SUMCO、JSR、東京応化工業
装置メーカー東京エレクトロン、SCREEN、ディスコ、ASML
半導体メーカーTSMC、Samsung、Intel、Micron、Kioxia、Sony
設計会社NVIDIA、Qualcomm、AMD、Apple

このように、多くの企業が協力することで、1つの半導体が完成します。


関連記事

半導体製造工程を理解したら、次は各企業の役割について詳しく学ぶのがおすすめです。


まとめ

半導体製造は、大きく「前工程」と「後工程」に分かれます。

前工程ではシリコンウエハ上に微細な回路を形成し、後工程ではチップを切り出して組み立て・検査を行います。これらの工程には、装置メーカー・材料メーカー・半導体メーカーがそれぞれ重要な役割を担っており、世界中の企業が連携することで高性能な半導体が完成します。

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